旅衣(読み)タビゴロモ

精選版 日本国語大辞典 「旅衣」の意味・読み・例文・類語

たび‐ごろも【旅衣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「たびころも」 )
  2. 旅で着ている衣服。旅行衣(たびゆきごろも)
    1. [初出の実例]「多妣己呂母(タビコロモ)八つ着重ねて寝(い)ぬれどもなほ膚寒し妹にしあらねば」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三五一)
  3. 旅。また、旅装を整えて旅に出ること。
    1. [初出の実例]「なにしかけふの旅ごろも、日も夕ぐれに成りしかば、都へいらせ給けり」(出典:明徳記(1392‐93頃か)上)

旅衣の語誌

( 1 )たつ・きる・へだつ・かさぬ・いくへ・うら、など衣に関わる語句と縁語となることが多い。
( 2 )平安前期・中期においては、「古今六帖‐五」等に散見されるが、むしろ「たびのころも」という表現の方が主流であった。その後平安後期から鎌倉初期にかけて「たびごろも」が増加し、「たびのころも」を凌ぐようになる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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