日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本地産論」の意味・わかりやすい解説
日本地産論
にほんちさんろん
農学書。著者はドイツの農学者フェスカ。1891年(明治24)刊。1882年日本政府に招かれたフェスカは、日本全国の土性調査を行い、さらに農業技術についての分析を行った。『日本地産論』はその集大成である。ドイツ語原題は『日本農業論』である。「通編」と「特編」からなり、「通編」は気候、土壌、農地、土壌処理技術、肥料、「特編」は作物、果樹、養蚕、畜産を論じている。「別冊農産地図」は23葉である。「通編」は農商務省地質調査所の名で翻訳、1891年刊行され、「特編」のうち約3分の1が1894年に刊行され、残りは未刊である。1944年(昭和19)桜井武雄(1908―2002)により「特編」の刊行部分だけが採集刊行された。
[福島要一 2018年8月21日]