日陰の糸(読み)ヒカゲノイト

デジタル大辞泉 「日陰の糸」の意味・読み・例文・類語

ひかげ‐の‐いと【日陰の糸】

大嘗祭だいじょうさいなどの神事に、冠のこうがい左右に結んで垂らした青色または白色組糸

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精選版 日本国語大辞典 「日陰の糸」の意味・読み・例文・類語

ひかげ【日陰】 の 糸(いと)

  1. ひかげ(日陰)の蔓(かずら)《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「入道故中納言、ためまさの朝臣のむすめをわすれたまひにけるのち、ひかげのいと、むすびてとてたまへりければ」(出典:蜻蛉日記(974頃)付載家集)

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世界大百科事典(旧版)内の日陰の糸の言及

【鬘】より

…《万葉集》に〈梅の花咲きたる苑(にわ)の青柳は蘰(かずら)にすべくなりにけらずや〉とか〈あしびきの山下日蔭かづらける上にやさらに梅をしのばむ〉などとあるのがこの例である。ことに神事における〈ひかげのかずら〉や〈ゆうかずら〉は後世までもその形式が残り,大嘗祭(だいじようさい)には冠の巾子(こじ)から細いあげ巻の組ひもを結びたれ,これを〈ひかげの糸〉ともいい,木綿かずらのほうも,大和舞の舞人などが冠に紙の幣をつけることになごりをとどめた。 なお,かずらは髪飾のほか,頭髪の少ないのをおぎなうかもじ(髢)や,毛髪で髷形(まげがた)をつくり頭にかぶって扮装する(かつら)の意にも用いる。…

※「日陰の糸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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