旧崇広堂(読み)きゅうすうこうどう

国指定史跡ガイド 「旧崇広堂」の解説

きゅうすうこうどう【旧崇広堂】


三重県伊賀市丸之内にある藩校跡。伊賀上野城(別名白鳳城(はくほうじょう))の南、丸の内に位置し、藩校の遺構としては全国的にもまれなもので、1821年(文政4)に伊勢国津藩の第10代藩主、藤堂高兌(とうどうたかさわ)が藩校である有造館の支校として創建した。崇広堂の名は、儒家が重視する経書の『書経』に収められた「功崇惟志、業広惟勤」の語句からとったものである。立派な表門があり、その先が入り口で、講堂書庫などを当時の姿のまま見ることができる。扁額は、若くして藩政改革に取り組んで藩の窮乏を救った米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)の筆である。1984年(昭和59)に上野市立図書館(現伊賀市立図書館)が新築されるまで、市立図書館としても利用されていた。1930年(昭和5)に国の史跡に指定され、1994年(平成6)に追加指定を受けた。近鉄伊賀線西大手駅から徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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