…最大の当り役は〈旗本退屈男〉シリーズ。〈退屈男〉の異名をとる旗本・早乙女主水之介が,高笑いとともにけんらんたる衣装で登場し(その柄はほとんど右太衛門本人のデザインで,1本の作品の中で数点は着替えて見せた),悪人どもを大きな目ではったとにらみつけるや,額の三日月傷を指さして〈天下御免の向こう傷〉と名のりをあげる姿が人気を呼んだ。見得を切るさっそうとした立ち姿,流麗で余裕のある立回りの姿には,踊りと歌舞伎で鍛えた素地がうかがえる。…
…佐々木味津三(1896‐1934)の同名の時代小説(1929‐31)の映画化で,はでな衣装に諸羽流青眼くずしの太刀さばき,そして眉間に三日月傷の主人公,退屈男こと早乙女主水之介は,戦前戦後を通じて市川右太衛門の当り役になった。1930年の市川右太衛門プロダクション製作,古海卓二監督《旗本退屈男》から63年の佐々木康監督による東映作品《旗本退屈男・謎の竜神岬》まで30作が作られている。…
※「早乙女主水之介」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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