佐々木味津三(読み)ササキミツゾウ

デジタル大辞泉 「佐々木味津三」の意味・読み・例文・類語

ささき‐みつぞう〔‐ミつザウ〕【佐々木味津三】

[1896~1934]小説家愛知の生まれ。本名、光三。新聞・雑誌記者を経て作家生活に入り、大衆小説発表。作「右門捕物帳」「旗本退屈男」など。

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精選版 日本国語大辞典 「佐々木味津三」の意味・読み・例文・類語

ささき‐みつぞう【佐々木味津三】

  1. 小説家。本名光三(みつぞう)。愛知県出身。明治大学卒。新感覚派の「文芸時代同人から転じて、「右門捕物帖」「旗本退屈男」などを書き、大衆文学分野で活躍した。明治二九~昭和九年(一八九六‐一九三四

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20世紀日本人名事典 「佐々木味津三」の解説

佐々木 味津三
ササキ ミツゾウ

大正・昭和期の小説家



生年
明治29(1896)年3月18日

没年
昭和9(1934)年2月6日

出生地
愛知県北設楽郡下津具村

本名
佐々木 光三

学歴〔年〕
明治大学政経科〔大正7年〕卒

経歴
大学時代「大観」の記者となり、「葦毛の馬」「馬を殴り殺した少年」などを発表し、文壇から注目される。その後「地主長男」「呪はしき生存」などを発表し、大正12年「文芸春秋」同人となり、13年「文芸時代」同人となるが、生活のため大衆文学に転じ、昭和3年「右門捕物帖」を、4年「旗本退屈男」を連載して好評を得る。以後多くの大衆小説を発表し、代表作に「風雲天満双紙」などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「佐々木味津三」の意味・わかりやすい解説

佐々木味津三
ささきみつぞう
(1896―1934)

小説家。本名光三。愛知県生まれ。明治大学政経科卒業。新聞・雑誌の記者を勤めながら小説を書き、『呪(のろ)はしき生存』(1921)が菊池寛に認められて知遇を得、『文芸春秋』の創刊に誘われた。『文芸時代』の創刊同人にもなったが、長兄が急逝し負債遺児を託されて、大衆文学に転ずることを決意した。1928年(昭和3)八丁堀同心「むつつり右門(うもん)」を主人公とする『右門捕物帖(とりものちょう)』、翌年早乙女主水之介(さおとめもんどのすけ)が退屈しのぎに剣を振るう痛快物語『旗本退屈男』を発表して評判となり、以後シリーズで連載、映画化もされて好評を得た。

[都築久義]

『『右門捕物帖』全4冊(春陽文庫)』『『旗本退屈男』(春陽文庫)』『佐々木味津三遺作管理委員会編『落葉集』(1969・佐々木克子)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐々木味津三」の解説

佐々木味津三 ささき-みつぞう

1896-1934 大正-昭和時代前期の小説家。
明治29年3月18日生まれ。大正10年「呪(のろ)はしき生存」でみとめられ,12年「文芸春秋」の創刊にくわわる。のち長兄の死による負債返済と遺児養育のため,大衆小説に転じた。代表作に「右門捕物帖」「旗本退屈男」など。昭和9年2月6日死去。39歳。愛知県出身。明大卒。本名は光三。

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367日誕生日大事典 「佐々木味津三」の解説

佐々木 味津三 (ささき みつぞう)

生年月日:1896年3月18日
大正時代;昭和時代の小説家
1934年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の佐々木味津三の言及

【推理小説】より

…シリーズとしての発表形式は前述のとおり《シャーロック・ホームズ》に負うところが多いが,過去の時代の雰囲気,考証などの点では,このジャンルの創始者,岡本綺堂作の《半七捕物帳》(第1作は1917年1月《文芸俱楽部》に発表)が最初にして最高の模範例となっている。以後,野村胡堂(銭形平次),佐々木味津三(右門),横溝正史(人形佐七)など数多くの作家が試みたが,推理小説の枠内に収まりきらない作品も多くある。 第2次世界大戦中の空白が終わって,戦後の日本は空前の最盛期を迎えた。…

【旗本退屈男】より

…佐々木味津三(1896‐1934)の同名の時代小説(1929‐31)の映画化で,はでな衣装に諸羽流青眼くずしの太刀さばき,そして眉間に三日月傷の主人公,退屈男こと早乙女主水之介は,戦前戦後を通じて市川右太衛門の当り役になった。1930年の市川右太衛門プロダクション製作,古海卓二監督《旗本退屈男》から63年の佐々木康監督による東映作品《旗本退屈男・謎の竜神岬》まで30作が作られている。…

※「佐々木味津三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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