家庭医学館 「早期産の低出生体重児」の解説
そうきさんのていしゅっしょうたいじゅうじ【早期産の低出生体重児 Preterm Low Birth Weight Infant】
早期産の低出生体重児では、その程度によって、各臓器の未熟性が異なり、その生命予後(せいめいよご)や罹患率(りかんりつ)も大きくちがいます。より早期に生まれ、からだが小さいほど体温調節が未熟で感染にも弱いため、保育器に収容して清潔に扱うことが必要になります。
在胎(ざいたい)週数が28週未満や出生体重が1000g未満の超低出生体重児では肺が未熟であるため、人工呼吸管理が必要となります。
肺が正常に機能しても、呼吸の調節が未熟な在胎34週未満までは無呼吸発作(むこきゅうほっさ)がおこります。哺乳(ほにゅう)には呼吸と嚥下(えんげ)に対する調節が必要で、34週ごろにはできるようになります。それ以前に生まれた赤ちゃんでは、栄養チューブを鼻や口から胃の中に入れ、母乳(ぼにゅう)などを注入しなければなりません。そのため、早産児の本来の出生予定日ごろまでは入院が必要となります。
その後の発育・発達ですが、1歳から3歳ごろにはふつうに生まれた子どもたちと変わらなくなります。
1000g未満の超低出生体重児でも、小学校入学ごろにはほとんど発育・発達が追いつきます。