昼御座(読み)ひのおまし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「昼御座」の意味・わかりやすい解説

昼御座
ひのおまし

「ひのござ」とも読む。天皇の昼間の居所。平安宮内裏(だいり)の清涼殿(せいりょうでん)では、母屋(もや)の南半分、および儀式のときなどに東庇(ひさし)に設けられ、天皇が着す平敷の座をさした。母屋は北は夜御殿(よるのおとど)、西は台盤所(だいばんどころ)・鬼間(おにのま)、南は殿上(てんじょう)の間に接し、東向きに天皇の座となる帳台(ちょうだい)を立て、前の左右に狛犬(こまいぬ)と獅子(しし)の置物を飾った。また、楽器を納めた厨子(ずし)、日記の厨子などがあった。平敷の御座は帳台の前に東向きに置かれ、畳の上に茵(しとね)(座ぶとん)を敷き、前に剣や硯(すずり)箱を置いた。

[吉田早苗]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の昼御座の言及

【清涼殿】より

…東に孫廂(まごびさし)をもち,東,西,北の外縁に簣の子(すのこ)をめぐらす。〈身舎(もや)〉(母屋)は建物の南寄りに南北5間,東西2間で,天皇の日中の御座所(昼御座(ひのおまし))である。その北寄り第1間は通路,第2間を御帳間(みちようのま)といい,天皇の休息用の居所である御帳台がある。…

※「昼御座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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