…53年(嘉永6)のペリー来航とともに斉昭が政治的発言権を復すると,弘道館総教に復し,本禄250石,役料200石をうける。58年(安政5)水戸藩への密勅をめぐり藩内の対立が高まると,尊攘激派を鎮圧する側にまわり,62年(文久2)の《時務策》では書生的攘夷論を批判し,時勢上開国はやむをえぬと説く。幽谷の忠実な弟子である正志斎は同様に実践的で,幕末における内外の危機にまっこうから取り組んだが,幽谷の子東湖ほど政治的手腕はなく,主たる活動は著作と教育の面にあった。…
※「時務策」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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