暗黒エネルギー(読み)アンコクエネルギー

デジタル大辞泉 「暗黒エネルギー」の意味・読み・例文・類語

あんこく‐エネルギー【暗黒エネルギー】

宇宙に存在し、負の圧力としてはたらき、宇宙の加速膨張を引き起こす仮想的なエネルギー。さまざまな観測事実から、その存在は確かだと考えられているが、正体は明らかになっていない。2001年に打ち上げられた宇宙背景放射探査機WMAPによる詳細な観測から、宇宙全体の物質・エネルギーの割合は、約68パーセントが暗黒エネルギー、27パーセントが暗黒物質水素ヘリウムなどの通常の物質が5パーセントと見積もられている。ダークエネルギー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「暗黒エネルギー」の解説

暗黒エネルギー

遠方超新星の観測から、現在の宇宙の膨張速度は加速していることが分かっている。星などをつくっている通常の物質(バリオン物質)や暗黒物質は宇宙膨張を減速させるので、加速させるためには未知のエネルギーが必要になる。このエネルギーの総称が暗黒エネルギー。暗黒エネルギーは、バリオン物質や暗黒物質と異なり、空間に一様に詰まっていると考えられている。WMAPの観測結果などから宇宙の構成要素の4%がバリオン物質、22%が暗黒物質、約74%が暗黒エネルギー。

(二間瀬敏史 東北大学大学院理学研究科教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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