朝日日本歴史人物事典 「曾我士郎」の解説
曾我士郎
生年:天保11(1840)
幕末維新期の豪農,勤王家,草莽隊正気隊長。名は祐信,通称長左衛門,変名は石川士郎。越後国蒲原郡十二新田(新潟県豊栄市)の代々大庄屋の家に生まれる。儒者坂井経堂に学び,その塾頭になる。万延1(1860)年の桜田門外の変後,私費で講武所を設けて剣,砲術の指導に当たる。明治1(1868)年,戊辰戦争のときに同門の曾我簡堂,前田又之允らと正気隊を組織し,北辰隊と共に,当初やむなく奥羽越列藩同盟に参加していた新発田藩を官軍方に導き,米沢や会津に転戦した。10月郷里に凱旋し,一時新潟県に奉職するが長続きせず,晩年は不遇に終わった。
(高木俊輔)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報