最上型重巡洋艦(読み)もがみがたじゅうじゅんようかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「最上型重巡洋艦」の意味・わかりやすい解説

最上型重巡洋艦
もがみがたじゅうじゅんようかん

旧日本海軍の重巡洋艦。最初は6インチ (15cm) 砲巡洋艦 (ロンドン条約による乙級巡洋艦) として竣工,無条約時代となって,8インチ (20cm) 砲装備の重巡洋艦に改装された。同型艦4隻。竣工時,基準排水量 9500t,速力 36kn (『熊野』『鈴谷』は 35kn) ,主砲 15.5cm砲 15,12.7cm高角砲8,61cm魚雷発射管 12,カタパルト2,水偵3機搭載。改装後,基準排水量1万 2100t,速力 35kn,20cm砲 10 (15.5cm砲3連装5個砲塔を 20cm砲2連装5個砲塔とした) 。『最上』は,1935年7月呉工廠で竣工。改装後の 42年6月7日,ミッドウェー海戦で『三隈』と衝突,再改装されて水偵 11機搭載の航空巡洋艦となった。 44年 10月 25日,レイテ南方スリガオ海峡で砲撃により沈没。『三隈』は,35年8月長崎三菱造船所で竣工。『最上』と衝突後,行動の自由を失い,艦上機の空襲を受けて沈没。『鈴谷』は,37年 10月横須賀工廠で竣工。改装後,太平洋諸海戦に就役,44年 10月 26日,サマル島沖で沈没。『熊野』は,37年 10月神戸川崎造船所で竣工。改装後,太平洋諸海戦に就役,44年 11月 25日,ルソン島西方の海上で被爆沈没。

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