ミッドウェー海戦(読み)ミッドウェーかいせん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミッドウェー海戦」の意味・わかりやすい解説

ミッドウェー海戦
ミッドウェーかいせん
Battle of Midway

太平洋戦争中の 1942年6月3~5日,日本海軍によるミッドウェー諸島攻略作戦およびアメリカ海軍機動部隊反撃作戦に基づいて戦われた海戦。日本の大敗北となり,以後戦局の主導権がアメリカ合衆国に移るという太平洋戦争の重大な転換点となった。日本は,この作戦立案途上の 4月に,ドゥーリトル隊による東京初空襲(→ドゥーリトル空襲)を受けたことから,索敵海面の拡大とアメリカ艦隊に対する決戦強要によって,アメリカ艦隊の撃滅を早期に実現することを戦略目的とした。日本艦隊は山本五十六長官直率の戦艦『大和』(→大和型戦艦)以下連合艦隊で,主戦兵力南雲忠一長官の率いる第1航空艦隊の航空母艦空母)4隻,迎え撃つアメリカ艦隊の主力は空母 3隻を基幹とする兵力とミッドウェーを基地とする航空部隊で,直接戦闘を交えた航空兵力はほぼ均勢であった。日本艦隊の索敵は錯誤のため,アメリカ空母部隊の発見が遅れ,ミッドウェー基地航空機と空母の雷撃隊には多大な損害を与えたが,アメリカの急降下爆撃機によって空母 4隻が損傷し,南雲部隊の航空戦力壊滅,空母の『赤城』『蒼竜』『加賀』『飛竜』などと,兵員 3500人,航空機 300機を失うという惨敗となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミッドウェー海戦」の意味・わかりやすい解説

ミッドウェー海戦
みっどうぇーかいせん

太平洋戦争中、日米両機動部隊の間で戦われた海戦。1942年(昭和17)4月の米機動部隊による本土空襲に衝撃を受けた日本海軍は、防衛ラインの拡張と米機動部隊への決戦の強要とを目的としてミッドウェー島攻略戦を決定し、連合艦隊の総力をあげて同島周辺海域に出撃、6月5日には同島への空爆を実施した。しかし索敵活動を軽視したため反撃に出た米機動部隊の発見が遅れ、攻撃部隊の発進準備中に米急降下爆撃機の急襲を受けて大損害を被った。この海戦で日本側は赤城(あかぎ)、加賀、蒼龍(そうりゅう)、飛龍の四主力空母と重巡一隻が沈没し航空機約300機と多数の熟練パイロットを失ったのに対し、米軍の損害は空母一隻沈没、航空機150機喪失にとどまり、その結果、制空・制海権の確保に支えられた緒戦における日本軍の優位は崩壊し、以後太平洋戦争は連合軍の反攻という新しい局面に突入する。

[吉田 裕]

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