最小抑止(読み)さいしょうよくし(その他表記)minimal deterrence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「最小抑止」の意味・わかりやすい解説

最小抑止
さいしょうよくし
minimal deterrence

非脆弱な戦略核戦力をもってする対都市戦略による抑止をいう。先制攻撃を受けても大部が残存する非脆弱な戦略兵力 (地下基地のICBMや原子力潜水艦のSLBMを意味する) によって,一定数の都市を破壊する能力を保有すれば,十分な抑止力たりうるので,相手の戦略兵力を破壊するための大量の兵力は必要としないという戦略。その極限が,原子力潜水艦ミサイル体系をもってする有限抑止戦略 finite deterrent strategyである。 1950年代末から 60年代にかけてアメリカ空軍の主張する対兵力戦略と論争したアメリカ海軍の対都市戦略の根拠をなした。この戦略は,全面的報復になりやすく,弾力性に乏しいとの批判があり,現在にいたるまで,対兵力戦略と対都市戦略の論争は繰返されている。

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