月暦画(読み)げつれきが(その他表記)calendar picture

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「月暦画」の意味・わかりやすい解説

月暦画
げつれきが
calendar picture

西洋美術において1年の 12ヵ月のそれぞれを,象徴的人物像,動物,月々の労働,それらを含む自然の風景,さらにはそれぞれの月に記念される聖人像などによって表わしたもの。起源は古くローマ時代の床モザイクや写本装飾にさかのぼり,カロリング朝の写本装飾を経て,12~13世紀にはゴシック聖堂の浮彫装飾に多くみられる。中世末期には時祷書の挿絵なかで,やがて近世に入ってからは独立した絵画連作として扱われるようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の月暦画の言及

【アレゴリー】より

…たとえば,フィレンツェのサンタ・マリア・ノベラ教会のアンドレア・ダ・フィレンツェのフレスコ(1365ころ)では,コンパスとT定規を持つ〈幾何学〉の擬人像の下に,ユークリッドが座している。月暦のアレゴリー(月暦画),すなわち貴人や農民の月々の営為の表現も,大聖堂正面の薄肉浮彫(パリ,アミアンなど),ばら窓,聖職者のための聖務日課書や平信徒用の時禱書に見られる。とくに農民の月々の野良仕事が教会の正面に表現される理由について定説はないが,聖書の教えが魂を重圧する無知から人間を救済するように,労働は原罪以来,人間の体に課せられた必然性から解放する,という説や,農民たちはそこに自分たちの姿を見いだし,神に庇護されている喜びを共感する,という説がある。…

※「月暦画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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