日本歴史地名大系 「月林寺」の解説 月林寺がつりんじ 京都市:左京区一乗寺村月林寺「山城名勝志」に「竹内門跡坊官云 月林寺今曼殊院地旧跡也」とみえ、京都市左京区の曼殊(まんしゆ)院の地から北西にわたる地域、一乗寺月輪寺(いちじようじがつりんじ)町・同竹(たけ)ノ内(うち)町、修学院(しゆがくいん)月輪寺町一帯が跡地であったらしい。天台宗に属し、俗にいう「叡山三千坊」の一であった。「西宮記」に「三月三日御灯 貞観以来於霊厳寺被奉、寛平初用月林寺」とあり、寛平年間(八八九―八九八)以前に創建されていたことが明らかである。応和四年(九六四)以後には大学寮北堂の学生等によって勧学会が開かれ、「由聞法歓喜讃之心、講法花経以経中一句為其題作詩歌詠也」とあるように(「扶桑略記」応和四年三月一五日条)、法華経信仰を中心に詩歌の会の行われる場となっている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by