月花余情(読み)げっかよじょう

改訂新版 世界大百科事典 「月花余情」の意味・わかりやすい解説

月花余情 (げっかよじょう)

洒落本。1冊。献笑閣主人作。1746年(延享3)刊。初めに漢文体戯文〈江南妓邑記〉で大坂島之内の遊里情景を叙述し,ついで〈燕喜篇〉に遊客花情が茶屋に来,なじみの遊女を招いて遊ぶ座敷のさまを,会話文体を主として描き,繊細な感情をも写しとっている。知識人のなぐさみに発した洒落本に,表現方法として俗にくだけた会話文体が定着しようとする様相を示す作品として,史的意義も大きい。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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