有戸野(読み)ありとの

日本歴史地名大系 「有戸野」の解説

有戸野
ありとの

盛岡藩の藩営九牧の一つ。小川原おがわら湖の北、現六ヶ所ろっかしょ村の南部を中心とする地域とみられる。正保四年(一六四七)の南部領内総絵図に有戸野とある。「郷村古実見聞記」によれば元禄一二年(一六九九)の絵図にも書上げられ、「同郡(北郡)七戸御代官所 蟻渡野長壱里半、横二十丁斗」とある。「南部馬史」では上古尾駮おぶちの牧にまたがる殷盛な牧地であったが、頽廃に傾いたのを再興し、寛文一二年(一六七二)に拡張したものという。尾駮の牧は古代から歌などで知られた馬産地で、記録のうえでは藩政期になると当牧の北に尾駮村(現六ヶ所村)が現れるが、当牧との関係は明らかでない。

宝暦五年(一七五五)の馬数は母三歳以上二七疋、二歳牝一疋、当歳牡三疋、当歳牝一疋の合計三二疋で、ほかに一六歳の父馬が一疋いた(奥隅馬誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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