有明の別れ(読み)ありあけのわかれ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有明の別れ」の意味・わかりやすい解説

有明の別れ
ありあけのわかれ

平安時代末期の物語。作者,成立年未詳。3巻。左大臣の姫が男装して出仕右大将になり,身を隠す術をもって忍び歩く。結婚し妻をもつが,帝に本性を知られ契りを結ぶ。以下女大将は死んだことにして,右大将は女性として宮中に入り,物語は故女大将の子を中心に進む。『とりかへばや物語』と類似しており,男装の女性が興味をひき,隠身の術も現実離れしている。着想の奇をねらった末期物語のなかでの佳作である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android