有明の別れ(読み)ありあけのわかれ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有明の別れ」の意味・わかりやすい解説

有明の別れ
ありあけのわかれ

平安時代末期の物語。作者,成立年未詳。3巻。左大臣の姫が男装して出仕右大将になり,身を隠す術をもって忍び歩く。結婚し妻をもつが,帝に本性を知られ契りを結ぶ。以下女大将は死んだことにして,右大将は女性として宮中に入り,物語は故女大将の子を中心に進む。『とりかへばや物語』と類似しており,男装の女性が興味をひき,隠身の術も現実離れしている。着想の奇をねらった末期物語のなかでの佳作である。

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