有物・在物(読み)ありもの

精選版 日本国語大辞典 「有物・在物」の意味・読み・例文・類語

あり‐もの【有物・在物】

〘名〙
① 現にあるもの。または、すでにそこにいる人。特別に用意しないでも、すでにあるもの。
※栄花(1028‐92頃)つぼみ花「御乳母(めのと)に人々いみじく参らまほしう案内申すべし。宮の内の女房達、さるべき君達の御子生みたるなど、ありものに頼み申したりけれど」
② 在庫商品。また、貸借関係を清算して後に残った資産
浮世草子日本永代蔵(1688)二「買置(かいをき)の有物(アリモノ)に勘定仕立」
③ (「銀(かね)有り者」の意で) 金持ち。
※新板当世人情穴さがし(1830‐44)「ありものかと思うて、やたらに様子して一ぱいやられる 仲居
④ (「ありあわせの物」というところから) その放送のために特に作られたものではなく、すでにできていていつでも利用できる歌や音楽などをいう放送用語。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android