最新 地学事典 「有馬型塩水」の解説
ありまがたえんすい
有馬型塩水
Arima-type geofluid
O.Matsubaya et al.(1973)による温泉水分類の一つ。非常に特異な化学・同位体組成をもつ温泉水で,マントル起源のヘリウムを含有した多量の炭酸ガスを含み,海水の約2倍の塩濃度をもち,水の同位体比はマグマ水に酷似する。名の由来となった兵庫県神戸市の有馬温泉では地表で沸騰している。同様の特徴をもつ温泉水は,鹿塩温泉(長野県下伊奈郡大鹿村),石仏(大阪府河内長野市)などにみられ,第四紀火山(火山フロント)から離れた前弧側に位置する。成因については,古い海水が変質あるいは化石マグマ水が長期間地層内に保持されてできたという説があったが,最近の研究により,フィリピン海スラブがマントル内で脱水し,生成したスラブ水が上昇したとする説が有力視されつつある。参考文献:O. Matsubaya et al.(1973) Geochem.J. Vol.7:123
執筆者:風早 康平
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

