望夫石(読み)ボウフセキ

デジタル大辞泉 「望夫石」の意味・読み・例文・類語

ぼうふ‐せき〔バウフ‐〕【望夫石】

中国、湖北省武昌の北の山の上にある岩。昔、貞女戦争に出かける夫をこの山上で見送り、そのまま岩になったと伝える。

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精選版 日本国語大辞典 「望夫石」の意味・読み・例文・類語

ぼうふ‐せきバウフ‥【望夫石】

  1. 〘 名詞 〙 妻が出征する夫を見送り、そのまま化したものと伝える石。中国では、「神異経」などに見える伝説にもとづく、湖北省武昌の北山にあるもの。また、日本でも松浦佐用姫(まつらさよひめ)が夫の大伴狭手彦(おおとものさでひこ)を見送り、石になったというものなど、各地にある。
    1. [初出の実例]「貞女峡辺難跡、望夫石下欲隣」(出典本朝無題詩(1162‐64頃)二・傀儡子〈藤原敦光〉)
    2. 「はうふせきという石も、こひゆゑなれるすかたなり」(出典:とはずがたり(14C前)三)

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世界大百科事典(旧版)内の望夫石の言及

【呼子[町]】より

…玄武岩性の上場(うわば)台地末端の入江にある呼子港は,北面に浮かぶ加部島が防波堤の役割をなす天然の良港である。古来,大陸への海上交通の要地で,加部島は,任那(みまな)に渡る大伴狭手彦(おおとものさでひこ)のあとを追った松浦佐用姫(まつらさよひめ)が石に化したという望夫石(ぼうふせき)の伝説の地である。近世には捕鯨基地,廻船の停泊地としてにぎわい,小川島の捕鯨は唐津藩の保護をうけて栄え,鯨を見張る山見小屋や鯨の供養塔などが残る。…

※「望夫石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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