山上（読み）サンジョウ

デジタル大辞泉

さん‐じょう〔‐ジヤウ〕【山上】

１ 山の上。山頂。
２ 山に登ること。登山。
「この尉じょうこそ―する者にて候へ」〈謡・女郎花〉
比叡山延暦寺のこと。

やまのうえ〔やまのうへ〕【山上】

姓氏の一。
[補説]「山上」姓の人物
山上宗二やまのうえそうじ
山上憶良やまのうえのおくら

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

さん‐じょう‥ジャウ【山上】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
   1. ① 山のいただき。山のうえ。また、山のなか。
      1. [初出の実例]「山上(サンジャウ)無双の伊岡(これをか)の板と申す巫女をめされて」(出典：金刀比羅本保元（1220頃か）上)
      2. 「麓の坊に宿かり置て、山上の堂にのぼる」(出典：俳諧・奥の細道（1693‐94頃）立石寺)
      3. [その他の文献]〔易経‐蹇卦〕
   2. ② ( ━する ) 山に登ること。やまのぼり。登山。《 季語・夏 》
      1. [初出の実例]「『八幡宮へ参らず候ふ』『此尉こそ、山上する者にて候へ、八幡への御道しるべ申し候ふべし』」(出典：光悦本謡曲・女郎花（1505頃）)
   3. ③ ( ━する ) ＝さんじょうまいり（山上参）
      1. [初出の実例]「行者講の中間へ入大勢づれにて山上(サンジャウ)をしけるに」(出典：浮世草子・世間娘容気（1717）六)
2. [ 2 ] ( 「山」は比叡山のこと ) 比叡山の延暦寺をいう。
   1. [初出の実例]「阿闍梨仁誉〈故行宗朝臣子也〉依院宣追_二却山上_一」(出典：中右記‐天永二年（1111）七月二二日)

やま‐あがり【山上】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 村の困窮者が野山にはいって小屋をかけ、耕作したり薪を売ったりして生計をたて直すこと。また、その制度。
3. ② 長崎県の対馬で、墓地の近くに喪屋をつくり遺族がこもること。
4. ③ 岡山県の真鍋島で、月経中の女性が忌小屋にはいること。

やま‐あげ【山上】

1. 〘 名詞 〙 疱瘡(ほうそう)の最も危険な時期を過ぎること。〔世話用文章（1692）〕

やまのうえやまのうへ【山上】

1. 姓氏の一つ。

出典　精選版 日本国語大辞典