改訂新版 世界大百科事典 「朝鮮独立同盟」の意味・わかりやすい解説
朝鮮独立同盟 (ちょうせんどくりつどうめい)
太平洋戦争の時期に中国延安の解放区に拠点をおいて活動した朝鮮人共産主義者による抗日民族統一戦線組織。日中戦争下の1938年武漢で,抗日戦に参与すべく金元鳳らが朝鮮義勇隊を組織したが,武漢陥落後その中の共産主義的な部分は延安に移り,移動途上で41年1月組織した朝鮮青年連合会を42年7月朝鮮独立同盟に発展させた。金枓奉(きんとほう),崔昌益(さいしようえき)らが指導者。傘下の軍事組織は41年7月朝鮮義勇軍に再編され,武亭,朴孝三の指導下に華北,華中戦線での対日本軍工作に従事し,日本軍から脱出した朝鮮人兵士を受け入れて勢力を増した。解放直後には2000名もの部隊をなして北朝鮮に帰り,共和国の建国過程に参与して延安派と呼ばれたが,56年の権力闘争に敗れて,大半は政権外に追われた。
執筆者:梶村 秀樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報