木前郷(読み)きさきごう

日本歴史地名大系 「木前郷」の解説

木前郷
きさきごう

和名抄」にみえるが高山寺本・刊本とも訓を付していない。刊本は別に城崎きさき郷を記すが同郷をさし、刊本の重複記載と考える。現船井郡園部そのべ町に木崎きざき地名があり、上木崎には城崎きのさき神社が鎮座する。

平城宮出土木簡に「丹波国舩井郡城崎戸主大初」と記されたものがあり、延喜一七年(九一七)四月二七日付丹波国某郷長解(益田男爵家所蔵文書)に「木前郷私部村」がみえる。船井郡内で私部の地名は確認できない。

室町時代の様子を描くとされる丹波国吉富庄絵図(真継梶之助家蔵)は「熊厘村」(熊原村の誤りと考えられる。現船井郡園部町)の西に「木前志万多郷堺」と記す。

郷域は明治二二年(一八八九)成立の木崎を含むきりしよう村および川辺かわべ村辺りからさらに園部川をさかのぼった園部村摩気まけ村西部(いずれも現園部町)を含んでいたと考えられる。


木前郷
きさきごう

「和名抄」高山寺本に「木嶋」、東急本・刊本に「木前」と記され、ともに訓を欠く。「新編常陸国誌」に「按ズルニ、今ノ那珂郡南酒出、北酒出ノ両村共ニ木崎ト云フ地アリ、コノ地古ハ久慈郡ニ属シタレバ、古ノ木前郷タルコト明ナリ」とあり、現那珂郡那珂町南酒出みなみさかいで・北酒出一帯に比定する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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