木嬰長次郎(読み)きえい・ちょうじろう

朝日日本歴史人物事典 「木嬰長次郎」の解説

木嬰長次郎

生年生没年不詳
幕末明治期,石川県捕鯨家。石川郡金石上新浜に生まれる。慶応2(1866)年捕鯨用の強い大曵網を作り,捕鯨実施のため藩庁に資金融資を請うが許されず,明治1(1868)年金石の共同金で捕鯨に着手した。翌2年,加賀地方では「沖の殿様」と呼んで敬遠するだけであった鯨を初めて捕獲。その後,網を銛に替え,銛の改良に努力した。第1回水産博覧会(1883)に捕鯨具を出品し受賞。<参考文献>大林雄也『日本産業事蹟』2巻(平凡社東洋文庫),日本常民文化研究所『日本漁民事績略』

(石田好数)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「木嬰長次郎」の解説

木嬰長次郎 きえい-ちょうじろう

?-? 幕末-明治時代の捕鯨家。
加賀石川郡金石(かないわ)の人。明治元年金石の共同金で大曳網(ひきあみ)による捕鯨にのりだす。2年鯨の捕獲に成功し,加賀,能登(のと)(石川県),越中(富山県)地方の捕鯨の先がけとなった。のち網を銛(もり)にかえて改良をかさね,16年第1回水産博覧会に捕鯨具を出品して受賞した。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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