木戸川(読み)きどがわ

日本歴史地名大系 「木戸川」の解説

木戸川
きどがわ

阿武隈高地の大滝根おおたきね山と尖盛とげのもりに源を発し、川内かわうち村・楢葉町を貫流して前原まえばらで太平洋に注ぐ。全長四八・二キロの二級河川。上流は深いV字形で渓谷の美しさで知られ、植物や動物も多く、生態系で注目を集めている。東北電力の発電所が三ヵ所で営業を続けており、総出力一万八〇〇〇キロワット。河口近くの前原作助さくすけには渡船場があった。江戸時代にはこの川でとれた鮭は藩主への献上品で、前原村には鮭川役が課せられていた(「年貢割付状」前原区有文書)。明治三〇年代に漁業組合が作られて魚族の保護が図られ、大正元年(一九一二)木戸川鮭鱒繁殖組合が設立され、鮭・鱒の養殖を図った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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