朝日日本歴史人物事典 「木村安兵衛」の解説
木村安兵衛
生年:文化14(1817)
明治時代の実業家,パン製造業者。常陸国(茨城県)生まれ。明治維新で武士の職を失い,東京府授産所の事務職に就いたが,パンの製法を知っているコックに出会い,明治2(1869)年意を決してパン屋「文英堂」を芝日蔭町(港区)に開店。パンの製造販売に乗り出した。3年に火災に遭い,尾張町(中央区銀座)に移転。屋号を「木村屋」と改め,日本人の口に合うパンの製法を模索し,7年銀座煉瓦街に店舗を移して,米糀を利用した独自の製法による「あんパン」を1個5厘で発売。文明開化で賑わう東京名物として人気を博し,米食からパン食への道を切り開いた。<参考文献>木村屋総本店編『木村屋総本店百二十年史』
(関井光男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報