木葉衣(読み)このはごろも

精選版 日本国語大辞典 「木葉衣」の意味・読み・例文・類語

このは‐ごろも【木葉衣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 木の葉を編んで作った衣。仙人などの着る衣という。
    1. [初出の実例]「祖先建国の始末をおもひ、黒木の柱、木葉衣(コノハコロモ)鳥獣の肉の摸傚(かた)にて行かば一入(ひとしほ)好かるべきに」(出典:三人妻(1892)〈尾崎紅葉〉前)
  3. 紅葉した木の葉が身に落ちかかるさまを衣服に見たてていう。このはぎぬ。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「木の葉の雨の音づれに、老いの涙もいと深き、心を染めて色々の、木の葉衣の袖の上」(出典:謡曲・雨月(1470頃))

このは‐ぎぬ【木葉衣】

  1. 〘 名詞 〙このはごろも(木葉衣)〔俳諧・毛吹草(1638)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の木葉衣の言及

【行智】より

…父の後を継いで覚吽院の住持となり,やがて当山派の総学頭,法印大僧都に任ぜられ,同派中で重きをなした。修験や悉曇に関する数多くの著作を残したが,その中で《木葉衣(このはごろも)》2巻(1832)と《踏雲録事(とううんろくじ)》1巻(1836)の2著は,江戸末期の修験道衰退の現状を顧みて,これを復興しようとする意図のもとに,修験道の来歴,故事伝承をつづったものとして注目される。1841年3月,覚吽院で没した。…

【鈴懸】より

…この衣は,俗人の直垂(ひたたれ)と類似し,俗体を本義とする修験の意図にかなっている。江戸後期に行智の著した,修験道入門書ともいうべき《木葉衣(このはごろも)》に,鈴(篠)懸の語義は,山岳修行で篠(ささ)が掛かる意だとある。天台系の本山派は卵色の麻,真言系の当山派は赤色の柿衣,羽黒派は獅子模様を描いた摺衣を使用する。…

※「木葉衣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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