ほん【本】 の 茶(ちゃ)
- 京都の栂尾(とがのお)に産した茶のこと。同地の茶は鎌倉初期の明恵上人の栽培にはじまり、ここから移植した宇治などの茶を非の茶といったが、室町初期以後は栂尾が荒廃したため、本の茶が宇治の茶をさすようになった。中世には種々の茶を点てて、本非を飲みあてる賭事(かけごと)がさかんに行なわれた。本茶。
- [初出の実例]「たとへば本の茶のごとし。花香は己が持ちたれども、調じ様によりて晴れには出づなり」(出典:十問最秘抄(1383))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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