日本大百科全書(ニッポニカ) 「本新島干拓」の意味・わかりやすい解説
本新島干拓
もとしんしまかんたく
茨城県南部、稲敷市(いなしきし)にある干拓地。茨城県が国営代行事業として1942年(昭和17)着工、1956年(昭和31)完成。本新島村の北側と浮島(うきしま)東側の間の霞ヶ浦(かすみがうら)の入り江、約572ヘクタールを干拓して417ヘクタールの水田をつくった。山形県など各地から入植し、約190世帯、800人余が居住する。稲作と酪農に園芸農業を加えた新農村経営方式のモデル地区である。堤防利用の酪農は特色であり、茨城県第2位の乳牛頭数をもつ。干拓地を囲む国道51号、125号および稲敷広域農道の一環をなす堤防外周道の整備は、新農村の経営に効果をあげている。堤防上より見る霞ヶ浦と浮島は景勝に富んだ地帯である。
[櫻井明俊]