本比田浦（読み）もとひだうら

日本歴史地名大系

本比田浦
もとひだうら

• 福井県：敦賀市
• 本比田浦

[現在地名]敦賀市元比田（もとひだ）

東（ひがし）浦一〇ヵ浦の一。東北は山が連なり、北は南条郡大谷（おおたに）浦（現河野村）に、南は大比田（おおひだ）浦に接し、西は敦賀湾を二里隔てて立石（たていし）岬と相対する敦賀郡最北の村。文亀三年（一五〇三）九月一〇日付西福寺寺領目録（西福寺文書）に「比田浦」とあり、「敦賀志」に「此浦、天正迄は気比宮司北河端氏の堡地也」とみえる。慶長三年（一五九八）七月の大比田村検地帳（中山家文書）に「大比田村」とみえるので、この際に比田村の村切がなされ、本比田村も成立したものと考えられる。

同一一年頃の越前国絵図に「比田浦高四百五拾七石一斗」と出るのは、大比田・本比田両浦の合計高であろう。正保郷帳で本比田浦八六石五斗余、うち田方三四石余・畠方五二石五斗余で、敦賀郡内で畠方が田方を超える唯一の村である（明治一八年に南条郡に編入された菅谷村を除く）。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」