檀那寺(読み)ダンナデラ

デジタル大辞泉 「檀那寺」の意味・読み・例文・類語

だんな‐でら【×檀那寺】

自分の家が帰依して檀家となっている寺。菩提寺ぼだいじ
[類語]菩提寺

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精選版 日本国語大辞典 「檀那寺」の意味・読み・例文・類語

だんな‐でら【檀那寺・旦那寺】

  1. 〘 名詞 〙 その家が帰依して檀家となっている寺。江戸時代は、すべての庶民が檀那寺を持つことを強要された。菩提寺。檀寺香華院知行寺
    1. [初出の実例]「檀那寺の花が盛じゃと申まする」(出典:虎寛本狂言・花折(室町末‐近世初))

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百科事典マイペディア 「檀那寺」の意味・わかりやすい解説

檀那寺【だんなでら】

自家が帰依している寺をいう。江戸時代,キリシタン禁制の実施手段として寺請(てらうけ)制度がとられ,すべての士・庶とも檀那寺をもたねばならなくなった。檀那寺は寺請証文・寺送り状を発行し,宗門人別改帳などの作成時には,その家が檀家であることを証明した。明治維新後寺請制度は廃止されたが,寺檀制度寺院信徒把握の基本形態として現在まで継承されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「檀那寺」の意味・わかりやすい解説

檀那寺
だんなでら

仏教用語。本来はある個人寄進によって創設され,その一家のために法を施す寺を意味したが,日本では一般に信徒がその所属する寺を呼ぶときに用いられ,先祖の位牌を預けたり,そこで法事を行う。所属信徒は檀家または檀徒と呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内の檀那寺の言及

【寺院】より

… 江戸時代,幕府は各宗各地の寺院法度と諸宗末寺帳をつくり,寺院本末の制(本末制度)を公権のもとに固定し,本山は末寺住持の任免,異義の取締りなどの権限を保障されて末寺支配を強化し,寺院の中央集権を確立した。さらに幕府は全民衆に対して,それぞれ宗旨と檀那寺を定め,その檀那寺の僧侶が発行する檀家証明書(寺請証文)を宗門改め,出生,結婚,旅行,転住,奉公,死亡などのときに必要とする制度をつくって民衆を統制したので,近世の日本人はすべて仏教徒となり,先祖以来の固定した宗旨と檀那寺をもつこととなった。これを近世寺檀制度という。…

【寺檀制度】より

…檀家制度ともいう。永続的な葬祭の関係を結んだ檀那寺(手次寺)と檀家の結合をもとに,江戸幕府が民衆統制,宗教統制に利用した戸籍制度。寺僧が,その檀家家族個々について,キリシタンや禁制宗派たる日蓮宗不受不施派などの信徒でないことを証明する寺請を行うことによって,身元,身分を証明した(寺請制度)。…

【半檀家制】より

…家族がすべて同じ檀那寺(手次寺)に属する丸檀家(一家一寺制)に対して,家族の内に檀那寺の異なるものを含む寺檀関係をいう。複檀家,一家寺違制などとも呼ばれる。…

【菩提寺】より

…尾張徳川氏の名古屋建中寺,長州毛利氏の萩東光寺など,ほとんどの城下に存在する。また後には,一般庶民が所属する檀那(だんな)寺を菩提寺と呼ぶようにもなった。【藤岡 大拙】。…

※「檀那寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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