本能寺切(読み)ほんのうじぎれ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「本能寺切」の意味・わかりやすい解説

本能寺切
ほんのうじぎれ

小野篁 (たかむら) ,菅原道真紀長谷雄 (きのはせお) の漢文一節書写本能寺に伝わるのでこの名がある。藤原行成 (972~1027) 筆。紙本1巻,素紙雲母文様が刷られている。行草体で前半4行は文字が小さく,後半 29行は文字がやや大きく書かれている。行成の『白氏詩巻』と同筆と認められる。書は端麗温雅で和様の典型を示している。

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世界大百科事典(旧版)内の本能寺切の言及

【藤原行成】より

…行成は有能な官吏でもあり,時の権威道長に人柄を愛され,清少納言にもよく思われ,《枕草子》には行成があらわれる。行成と称する書跡は少なくないが,その筆跡判定の出発点は〈東南院文書〉長徳4年(998)12月16日太政官牒の彼の自署と御物寛弘2年(1005)2月10日付〈敦康親王初覲(しよきん)関係文書〉におくべく,これをもとに《舞姫帖》《拾遺納言定文草案》《行成詩稿》を自筆とみとめることができ,さらに《白氏詩巻》(東京国立博物館),《後嵯峨院本白氏詩巻》(正木美術館),《本能寺切》(本能寺)あたりまでひろげることができよう。しかし以上は真名(漢字)のみであって,しばしば行成と鑑定されているかなについては,確実なものを得がたく,わずかに前記《拾遺納言定文草案》の紙背の二十数字を出発点として吟味すべきかと考えられる。…

※「本能寺切」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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