白氏詩巻(読み)はくししかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白氏詩巻」の意味・わかりやすい解説

白氏詩巻
はくししかん

唐の白居易の『白氏文集』中の詩8首を行草体で書いた詩巻。「白楽天詩巻」ともいう。平安三跡の藤原行成筆。寛仁2 (1018) 年8月 21日の書写,紙本。国宝。茶,薄茶薄紫,白の色紙 (いろがみ) を用いている。藤原定信の奥書により,この本が小野道風の『屏風土代 (どだい) 』とともに物売り女から入手したこと,および行成真跡であることが確かめられる。書は温雅優美で和様の典型的な書風をなしている。東京国立博物館蔵。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「白氏詩巻」の解説

白氏詩巻
はくししかん

唐の白居易(はくきょい)(字は楽天)の詩集「白氏文集」(巻65)のうち,8編を書写したもの。染紙9枚を継いだ巻子本。1018年(寛仁2)藤原行成(ゆきなり)の筆とされる。その書は,1~2cmの小字でありながら筆力に満ち,字形は端正で優麗典雅。行成の自筆本の傑作とされ,和様書の完成された姿をみせる。紙背継目伏見天皇花押があり,天皇の愛蔵品であったことが知られる。東京国立博物館蔵。縦27.3cm,横336cm。国宝。

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