本館村(読み)もとだてむら

日本歴史地名大系 「本館村」の解説

本館村
もとだてむら

[現在地名]八森町八森字本館

八森村の南の段丘上に位置する支郷。享保一五年(一七三〇)の「六郡郡邑記」によれば、延宝元年(一六七三)に檜山多賀谷氏の家臣山内庄右衛門が開発し、後に境目加郷となった。家数は一五軒。

村内に永正二年(一五〇五)に工藤小平祐定が拠った館跡があり、工藤氏の没落後本館に入った武田重左(右)衛門に対する百姓一揆の伝説が伝わる。武田氏は甲斐武田氏の一族で、主家没落後檜山ひやま(現能代市)に来り、檜山の城代の仲介で秋田氏の家臣となり、本館を与えられた。文禄元年(一五九二)の秋田実季分限帳(秋田家文書)に二一六石余が記される。佐竹氏の移封後も武田氏は引続き在住し、慶長一〇年(一六〇五)領地の書出を命ぜられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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