朱めん(読み)しゅめん(その他表記)Zhu Mian; Chu Mien

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「朱めん」の意味・わかりやすい解説

朱めん
しゅめん
Zhu Mian; Chu Mien

[生]?
[没]靖康1(1126).9.8. 衡州
中国,北宋末の侫臣。蘇州 (江蘇省) の人。父の沖は微賤出身から一代で富を築き,ときに権勢をふるっていた宰相蔡京に取入って,子のめんとともに官途についた。朱めんは徽宗が珍花奇石を求めているのを聞き,蔡京の意をくんで,珍奇な花石を求めて献上し,これが帝の嘉するところとなったので,のちますますそれをふやし,政和年間 (1111~17) にはその船団が相連なる有様であったため,世人はこれを「花石綱」と呼んだ。これが 20年にも及んだため,その社会的弊害はひどく,ついに方臘の乱を引起した。乱の平定とともに再び帝の信任を得,一門ことごとく顕官となった。靖康の変に際し,欽宗に衡州で捕えられ,斬罪に処された。

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