しゅき‐だいばん【朱器台盤】
- 〘 名詞 〙 平安、鎌倉時代、藤原氏の長者が正月の大臣大饗(たいきょう)に用いる食器。閑院左大臣藤原冬嗣から重宝として伝来したもの。食を盛る器も台盤もすべて朱塗りであったところからいう。平安後期以降、氏長者の地位の象徴となり、その授受が「朱器渡り」として儀式化された。朱器。
- [初出の実例]「藤氏一大臣用二朱器台盤一」(出典:江家次第(1111頃)二)
朱器台盤の補助注記
「台記‐久安六年九月廿六日条」に見える師実の子の忠実が、摂政は天子の授けるものだから奪うことはできないが氏長者は我が譲るものだからとして、券文などとともに朱器台盤を頼長に譲ったという話は有名である。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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