忠実(読み)マメ

デジタル大辞泉 「忠実」の意味・読み・例文・類語

まめ【忠実/実】

[名・形動]
労苦をいとわず物事にはげむこと。また、そのさま。勤勉。「―に帳簿をつける」「若いのに―な人だ」「筆―」
からだのじょうぶなこと。また、そのさま。健康。たっしゃ。「―で暮らしております」「―なのが何より」
まじめであること。また、そのさま。実直。本気。誠実。
「いと―に、じちよう(=実用本位)にて、あだなる心なかりけり」〈伊勢・一〇三〉
実際の役に立つこと。実用的であること。また、そのさま。
「をかしきものは…君達に、―なるものは北の方にと」〈落窪・四〉
[類語](1きりきりしゃんきりりきりっと甲斐甲斐しいきびきびてきぱきしゃきしゃきはきはきすいすいまめまめしい忠実まめやか小忠実こまめ手忠実てまめ足忠実あしまめ筆忠実ふでまめ骨身を惜しまずきちんと規則正しい手取り足取り几帳面まじめ大まじめまじめくそまじめ愚直四角四面誠実篤実真摯至誠信実篤厚質実堅実堅気実直謹厳生一本一本気勤勉律儀義理堅い義理立て良心的ちゃんとしっかりしゃんときちんきちんきっちりかっちりがっちり規則的整然/(2ぴんしゃんぴんぴんしゃんとしゃんしゃんしゃきっとしゃっきり不死身強靭タフ生き生き意気軒昂けんこう老健強い健康丈夫無病息災無事健勝清勝すこやか壮健健全達者元気つつがない息災強壮強健頑健矍鑠

ちゅう‐じつ【忠実】

[名・形動]
まごころをこめてよくつとめること。また、そのさま。「職務忠実な人」「忠実臣下」「忠実任務を遂行する」
内容をごまかしたり省略したりせずそのままに示すこと。また、そのさま。「原文忠実翻訳」「史実忠実に再現する」
[派生]ちゅうじつさ[名]
[類語]誠実篤実真摯至誠信実篤厚大まじめまじめ几帳面生まじめくそまじめ愚直四角四面質実堅実堅気かたぎ実直謹厳生一本一本気勤勉律儀義理堅い義理立て良心的

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精選版 日本国語大辞典 「忠実」の意味・読み・例文・類語

まめ【忠実・実】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. まじめであるさま。誠実でうわついたところのないさま。
    1. [初出の実例]「忠(マメ)なること白日(てるひ)に踰(こ)え、節(またき)こと青松(とこまつ)に冠(す)ぎたり」(出典日本書紀(720)雄略七年是歳(前田本訓))
  3. 実際の役に立つさま。生活に直接かかわって実用向きであるさま。
    1. [初出の実例]「車にてまめなるものさまざまにもてきたり」(出典:大和物語(947‐957頃)一七三)
  4. 勤勉でよく働くさま。働くことを苦にせずあれこれとよく動くさま。
    1. [初出の実例]「いみじくふかうなりけるさぶらひの、よるひるまめなるが」(出典:古本説話集(1130頃か)四〇)
  5. からだが丈夫なさま。すこやかであるさま。達者。
    1. [初出の実例]「苦しむ時は休めつ、まめなれば使ふ」(出典:方丈記(1212))

忠実の語誌

中古以降、「あだ」に対して用いられ、中世になると、現在のようなの意味で用いられるようになった。


ちゅう‐じつ【忠実】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. まごころをもってよくつとめること。また、そのさま。誠実。
    1. [初出の実例]「其人の名は宮之原忠太夫、大寺右平太とて二人の侍也〈略〉質直にて忠実の人物なり」(出典:随筆・西遊記(新日本古典文学大系所収)(1795)一)
    2. [その他の文献]〔史記‐李広伝・論〕
  3. ごまかしや誤りがなく正確に行なうこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「実際見た処の事実を忠実(チュウジツ)に書いて」(出典:一家内の珍聞(1904)〈国木田独歩〉)

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普及版 字通 「忠実」の読み・字形・画数・意味

【忠実】ちゆうじつ

まめやか。〔史記、李将軍伝論賛〕死するの日にんで、天下の知ると知らざると、皆爲に盡(ことごと)く哀(かな)しめり。彼は其の忠實の心、士大夫に信ぜられたるなり。

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