重宝(読み)ちょうほう

精選版 日本国語大辞典 「重宝」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐ほう【重宝】

〘名〙
① 貴重な宝物。たいせつな宝。有益・有効な物。じゅうほう。
※金刀比羅本保元(1220頃か)上「八領の鎧の中に殊(ことに)秘蔵の重宝(テウホウ)也」 〔戦国策‐東周策・恵王〕
② (━する) 珍重すること。心にとめてたいせつに取り扱うこと。
※両足院本周易抄(1477)六「我が物は重宝せいで、人の物を欲しがるぞ」
③ (形動) 便利であること。都合がよいこと。また、そのさま。好都合。
※正徹物語(1448‐50頃)上「万時とて万葉の時代を定家の勘(かうが)へられたる物あり。重宝也」
※仮名草子・浮世物語(1665頃)一「随分の憶病者にて侍べれども、算用方はよく致す、と申されしかばそれこそ何より重宝(テウホウ)なれ。急ぎ召抱へよ」
④ (━する) 便利で都合のよいものと感じて使うこと。→調法。「いただいた品はちょうほうしています」

じゅう‐ほう ヂュウ‥【重宝】

〘名〙 (「じゅう」は「重」の慣用音) 貴重な宝物。たいせつな宝。有益な物。→ちょうほう(重宝)
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)八「ひとりの商主ありて、もろもろの商人をゐて、重宝(チウホウ)(〈注〉オモキタカラヲ)を齎持(さいち)し、険路をへすきん」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「重宝」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐ほう【重宝】

[名・形動](スル)
貴重な宝物。じゅうほう。「先祖伝来の重宝
便利で役に立つこと。便利なものとして常に使うこと。また、そのさま。調法。「使いやすく重宝な道具」「重宝している辞書」
貴重なものとして大切にすること。
「わがままの鬼を―して育て上がったものぢゃ」〈松翁道話・三〉
[派生]ちょうほうがる[動ラ五]ちょうほうさ[名]
[類語]便利簡便軽便至便便利便有益有効有利実用ユーティリティー好都合便益役立つ役に立つ役立てる資する捨てたものではない渡りに船便宜誂え向きタイムリー有り難いうれしいおんの字有用もってこい格好頃合ころあ打って付けぴったり好個好適適する適う適える合う沿うそぐう向く似合う似つかわしいふさわしいしっくり当てはまる適合する適当する合致する即応する同調するフィットする程よい絶好願ったり叶ったり願ってもない

じゅう‐ほう〔ヂユウ‐〕【重宝】

貴重な宝物。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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