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氏長者 うじのちょうじゃ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

氏長者
うじのちょうじゃ

氏の首長。古くは氏長,氏上といったが,平安時代以後氏長者といった。初めは宗家として同族を率い,朝廷に仕える者の呼称であったが,のち長者の宣旨を賜わって氏の長者を称するようになった。職掌は氏人の上申書への加署,氏の祭祠,氏学校の経営など,その氏に関するすべてを管轄し,氏人に対して大きな権限をもった。各氏に氏長者があったであろうが,文献にみえるのは 10氏余で,なかでも藤原,源,橘,菅原氏の長者が名高い。

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百科事典マイペディアの解説

氏長者【うじのちょうじゃ】

の長(おさ),氏族の統率者。(りょう)の前の氏上(うじのかみ),養老令の氏宗(しそう)に由来するが,8世紀末の《続日本紀(しょくにほんぎ)》などに〈氏長〉とみえ,平安期には氏長者とするのが一般的になった。
→関連項目公家領楠葉牧吹田

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世界大百科事典 第2版の解説

うじのちょうじゃ【氏長者】

平安時代以降の貴族社会における氏族の統率者。令前および大宝令の〈氏上(うじのかみ)〉,養老令の〈氏宗〉に由来するが,《続日本紀》以下奈良時代の文献に〈氏長〉の語が見え,平安時代に入ると,〈氏長者〉の称が一般的になるとともに,その性格も変化していった。元来,氏中官位第一の者を充てるのを原則としたが,のち藤原氏では摂政ないし関白の兼摂となり,小槻氏では官務(太政官の史の最上首)の兼帯となったように,特定の官職と結びついた例もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

氏長者
うじのちょうじゃ

氏族の統率者、首長。奈良時代以前に氏上(うじのかみ)、氏宗(うじのそう)とよばれたもの。これが、平安時代以降、氏長者となった。王氏、源氏、藤原氏、橘(たちばな)氏をはじめ、伴(とも)、高階(たかしな)、和気(わけ)、菅原(すがわら)、中臣(なかとみ)、忌部(いんべ)、越智(おち)氏などにもみられ、氏のなかの官位の第一の者がなり、氏神の祭祀(さいし)、氏社の管理、氏の大学の別曹の管理、氏爵(うじのしゃく)の推挙などを行った。源氏は嵯峨(さが)源氏に、藤原氏は鎌足(かまたり)、不比等(ふひと)、あるいは基経(もとつね)に始まるといわれている。平安後期には、藤原氏の長者と摂政(せっしょう)、関白(かんぱく)が同一人になる場合も多く、平安時代の実例としては忠平(ただひら)より忠通(ただみち)までみられる。長者の宣旨(せんじ)によって公認され、朱器台盤(しゅきだいばん)、長者印、殿下渡領(でんかのわたりりょう)を受け伝えた。室町時代にはあまりみられなくなり、藤原氏の摂関と村上源氏の久我(こが)家がその職を受けていたが、さらに足利義満(あしかがよしみつ)のとき将軍の兼職となり徳川氏へと続き幕末に至った。[山中 裕]
『竹内理三著『律令制と貴族政権 第部』(1958・御茶の水書房)』

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世界大百科事典内の氏長者の言及

【氏上】より

…そのほか,氏上は氏の共有財産である氏賤を管理し,氏人をひきい氏神の祭祀を行った。平安時代に氏上は氏長者(うじのちようじや)とよばれ,中でも藤原氏の氏長者はもっとも有名である。氏人【平野 邦雄】。…

【長者宣】より

…平安時代以降の文書様式の一つ。氏長者(うじのちようじや)宣旨の略。(1)氏長者の口頭命令またはその内容,(2)氏長者の仰(おおせ)を奉ったものが認める宣旨形式の文書,(3)氏長者の仰を奉ったものが認める奉書形式の文書。…

※「氏長者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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