李昪(読み)りべん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「李昪」の意味・わかりやすい解説

李昪
りべん
(888―943)

中国、五代十国の南唐の建国者(在位937~943)。廟号(びょうごう)は烈祖。幼くして孤児となったが、淮南(わいなん)節度使楊行密(ようこうみつ)(のちに呉を創設)にみいだされてその部将徐温養子となり、徐知誥(じょちこう)と名づけられた。呉の実権者となった徐温の死後10年、引き続いて国政を支配し、ついに呉主に譲位させて帝位につき、国号を大斉とし金陵(きんりょう)(南京(ナンキン))に都したが、939年、唐の玄宗の第6子の末裔(まつえい)と自称して姓名を李昪、国号を大唐と改め、国力の充実を図り華北の五代王朝に対抗した。1950~51年彼の陵墓が発掘され、その報告書が中国で出版された。

[高橋継男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の李昪の言及

【澄心堂紙】より

…中国,五代南唐の烈祖李昪(りべん)(在位937‐943)の時につくられた紙。澄心堂は李昪の書斎の雅名で,宮中所属の製紙工に命じ,桑皮を材料としてつくらせた優秀なもの。…

【唐】より

…937‐975年。の実力者徐知誥(じよちこう)(李昪(りべん))が呉帝の譲位をうけてたてた国。唐の正統後継を自任し,北方の契丹との通好関係をもって中原の回復を意図した。…

【南唐二陵】より

…中国,五代十国の南唐の始祖,烈宗李昪(りべん)(888‐943)の欽陵と,第2代,元宗李璟(りけい)(916‐961)の順陵をいう。南京市の南郊,江蘇省江寧県東善鎮,高山の南麓の尾根を利用してつくった円墳。…

※「李昪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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