杜本神社(読み)もりもとじんじや

日本歴史地名大系 「杜本神社」の解説

杜本神社
もりもとじんじや

[現在地名]羽曳野市駒ヶ谷

みや山の頂上付近に位置する。「延喜式」神名帳の安宿あすかべ郡に「杜本神社二座並名神大、月次新嘗」とある。現祭神は経津主神・経津主姫神。旧村社。「河内名所図会」は「秘決」曰くとして、「河内国杜本神社、杜本祝部矢作忌寸口伝云、杜本神社二座斎大人神、経津主命也、俗曰香取明神」とし、「神祇秘抄」も同様であると記す。また「新撰姓氏録」の記事として「矢羽作忌寸布都怒志命十四世孫、伊波別命之後也」、「金剛輪寺覚峰師云」として「人皇十代の頃、香取明神の神孫十四世伊波別命、此地にすませたまひ、祖神経津主命をあがめ祭り給ふ、今の杜本神社といふは是なり、其末、永く此地に在して、弘仁の頃、矢作忌寸と申す也」と記す。右の諸説は矢作忌寸と経津主命を結びつけているが、その根拠となる「新撰姓氏録」の記事が現行本にはなく、「矢作連 布都奴志乃命之後也」(河内国未定雑姓)とみえているにすぎない。六国史にも矢作忌寸氏はみえない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の杜本神社の言及

【蕃神】より

…仏教公伝以前日本に来た渡来人による仏教などの私信仰は,日本の神と習合して崇拝された。《延喜式》の神名帳には蕃神とみられる神が少なくなく,杜本(もりもと)神社,当宗(まさむね)神社,比売許曾(ひめこそ)神社などは,その代表的な神社として知られている。【岡田 荘司】。…

※「杜本神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android