ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東丹王」の意味・わかりやすい解説
東丹王
とうたんおう
Dong-dan wang; Tung-tan wang
[没]天顕9(934)
中国,遼の太祖耶律阿保機 (やりつあぼき) が建てた東丹国の王 (在位 926~928) 。人皇王ともいう。姓名は耶律倍。諡は文献欽義皇帝。廟号は義宗。太祖の長子。神冊1 (916) 年皇太子。天顕1 (926) 年太祖の渤海国征討に従い,それが討滅され東丹国と改められると,その王に任じられた。太祖の没後,弟徳光 (太宗) に契丹国王位を譲ったが,太宗は東丹王の存在を危惧し,渤海遺民の統治の困難を理由に,同3 (928) 年自国に近い遼陽にその都を移した。東丹王はこれを不満とし,翌々年後唐に亡命したが,後唐滅亡のとき廃帝の命令で殺された。
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