日本歴史地名大系 「東備郡村志」の解説
東備郡村志
とうびぐんそんし
八巻三冊 松本亮著
成立 天保頃
写本 岡山県総合文化センター
解説 「東備郡村誌」とするものもある。東備とは備前のことで、著者は岡山藩士。備前の地誌として巻一は岡山城下と御野郡、巻二以下の七巻に他の七郡をあて、村ごとに城下からの距離・寺社・古跡・古城・遺物・著名人の墓所などをあげる。古墳や古代の寺院跡から出土した遺物の略図とその形状、発見のいきさつなどを記す点に特色をもち、なかには現物が伝来せず、本書の略図と説明によってのみ知られるものもある。なお文化センター所蔵本は、吉備群書集成に収録された巻八までに人物部と題する巻九・巻一〇を加えるが、多くの朱書や追記があること、内容に統一を欠くことなどから草稿段階のものかと考えられている。
活字本 吉備群書集成第二輯
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報