杵名蛭庄(読み)きなひるのしよう

日本歴史地名大系 「杵名蛭庄」の解説

杵名蛭庄
きなひるのしよう

礪波郡の南東部に位置した古代の奈良東大寺領庄園。天平神護三年(七六七)五月七日の越中国司解(東南院文書)に「杵名蛭庄地」として三七町七段九八歩、見開三七町七段九八歩、うち神分一段・荒一二町五段二六六歩・全佃二五町一九二歩とあり、三七町七段余の総地はすべて開田の状況にあった。成立の時期は不明だが、天平勝宝元年(七四九)の勅施入に基づく庄園とは異なり、天平宝字三年(七五九)一一月一四日の東大寺越中国諸郡庄園総券(同文書)に記載されず、また同日付の絵図も作成されてはいないことから同年以前にはさかのぼらないと考えられる。神護景雲元年(七六七)一一月一六日の越中国司解(同文書)には「杵名蛭村地」として五八町五段五六歩、見開四二町一段二三四歩、うち荒一九町六段六〇歩・定二二町五段一七四歩、未開一六町三段一八二歩とし、五月七日の越中国司解に比べて総地が二〇町以上も増加している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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