板付基地訴訟(読み)いたづけきちそしょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

板付基地訴訟
いたづけきちそしょう

駐留軍の違憲問題が問われた最初の基地訴訟。1954年(昭和29)7月、当時三大米空軍基地の一つであった福岡県板付基地内の土地所有者のうち松本治一郎(社会党参議院議員)ら3名が軍事基地施設を撤去して土地を明け渡せ、土地の使用目的は憲法第9条に違反し契約は無効であると訴訟を提起した。1956年2月13日の第一審(福岡地裁)判決は、国と原告の間には有効な賃貸契約が存在せず、土地を原告に明け渡せと判示したが、1960年の第二審判決は、土地明渡し請求は国に大きな損失をもたらし、権利の濫用であるとして請求を棄却した。さらに1965年最高裁判決は二審を支持するとともに、安保条約の誠実な履行は国の義務であり、関係者は国の義務に協力すべきである、と日米安保体制を積極的に肯定した。[荒川章二]
『畑穣「板付事件最高裁判決をめぐって」(『法律時報』1965年6月号所収・日本評論社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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