枝垂木(読み)しだれぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「枝垂木」の意味・わかりやすい解説

枝垂木
しだれぎ

枝が直上せずに、水平よりも下方に下がった樹木をいう。よくみられるものに街路樹のシダレヤナギやシダレウメ、シダレザクラのほか、マツ、モモ、クリ、カキツバキ、クワノキなど多数ある。いずれも園芸的には品種として取り扱われ、そのほか野生種では系統として区別されることが多い。枝垂木は植え込んでも、広い場所を必要とせずに仕立てられる長所がある。また幼苗から一定の高さになるまでは、主幹となる枝は支柱を立て誘引して樹形をつくる必要がある。

[堀 保男]

民俗

枝垂桜は京都の円山(まるやま)公園の桜のように名所として観賞されている。松の場合は、そのかっこうから笠松(かさまつ)、三階松などとよばれている。枝垂木はそれに神が降臨するという信仰があり、神様松、山の神松天狗(てんぐ)松などとよばれている。瘤(こぶ)のある松は天狗の腰掛松といって、それに天狗が住んでいるという。村に異変があると神が降(くだ)って知らせる神降松(かみおりまつ)といわれているものもある。

[大藤時彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android