柏原船(読み)かしはらぶね

精選版 日本国語大辞典 「柏原船」の意味・読み・例文・類語

かしはら‐ぶね【柏原船】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、平野川を利用して河内国柏原村と大坂の間に就航し、荷物輸送にあたった川船。寛永一三年(一六三六)四〇艘をもって始められ、同一七年輸送量の増加に伴い七〇艘となった。船型、構造とも大和川剣先船と同系統のもので、その寸法は、敷長四一・五尺(約一二・六メートル)余、幅七尺(約二・一メートル)、深さ一・五尺(約四五センチメートル)。およそ二〇石積の小船で、浅い川筋を航行できるのを特徴とする。かしわわらぶね。〔和漢船用集(1766)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の柏原船の言及

【末吉孫左衛門】より

…その船を末吉船と呼ぶ。跡を継いだ長男孫左衛門長方も,代官を務めるとともに鎖国に至るまで朱印船貿易に従事,また柏原船(かしはらぶね)(平野川を利用して河内国柏原村と大坂を結んだ川船)を創始したことなどで著名である。【杣田 善雄】。…

【柏原[市]】より

…生駒山麓ではブドウが栽培されるが,近年近鉄沿線を中心に宅地化が進み,栽培面積は減少している。【秋山 道雄】
[歴史]
 大和川と石川の合流点に在郷町として発達し,了井川,平野川の水運によって柏原~大坂間を上下した柏原船で有名。柏原船は,代官末吉孫左衛門が洪水で荒廃した柏原村復興策として計画し,1636年(寛永13)秋に開設された。…

※「柏原船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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