平野川(読み)ひらのがわ

日本歴史地名大系 「平野川」の解説

平野川
ひらのがわ

大和川の青地あおじ(柏原市)から発し、柏原かしわら市の柏原地区、八尾やお市の志紀地区・大正たいしよう地区・竹渕たこち地区を北西流、大阪市平野区を通って生野いくの区に入る。ここで流路を北に向け、東成ひがしなり区から城東区に入り、森之宮もりのみやで第二寝屋川に合流。指定流路延長一七・四キロ。一般に青地樋から八尾太子堂たいしどう辺りまでを了意りようい川、それより下流を平野川とよぶ。また百済くだら川ともいった。平野川の呼称流域中世から発達した平野郷ひらのごう(現平野区)があることによる。

宝永元年(一七〇四)の大和川付替え以前の流路は詳しくはわからないが、宝永三年の平野郷町の覚帳(杭全神社蔵)には、付替え以前の平野川は大和川の一番いちばん樋と青地樋の二つから水を引いていたと記している。しかし貞享四年(一六八七)柏原村絵図(松本家蔵)によると、船橋新家ふなはししんけ(現藤井寺市)の樋と四軒茶屋よんけんちやや(現柏原市)のすぐ南にある十七間じゆうしちけん樋より流出している。さらに古くには、植松うえまつ(現八尾市)辺りで長瀬ながせ(大和川の主流)から分岐して南西に向かい、太子堂の南で北西に流れを転じていたと考えられる。この川が、和気清麻呂が「荒陵」(現天王寺区)の南側で海へ落そうとした「河内川」であろう(→大和川

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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